300年以上前から伝わる木曽の冬の保存食「すんき」はこれから旬です。
植物性乳酸菌発酵食品「すんき」とは、長野県木曽地方に古くから伝わる冬の保存食です。
木曽の在来種の赤かぶの葉と茎根を、前年度の「すんき」と共に
発酵させて作ります。
塩も添加物も入っていません。
味は独特の酸味があるとっても不思議な発酵食品です。
私は木曽町出身なので、昔から普通に毎食、食卓に並んでいました。
酸味があるのですが、
かつお節と醤油と一緒にしたり、
温かい蕎麦と一緒に食べるととっても慈悲深い旨味が生まれ、とてお美味しいです。
恥ずかしながら、今まで作ったことがなく、今年初めて挑戦しました。
先生は、いつも「ふらっと木曽」の朝市で野菜を売ってくださっている澤口さんです。
◎まずは、材料の説明から。
木曽の赤かぶは、各町村で種類が違います。
福島地区は「三岳黒瀬カブ」「開田カブ」
王滝地区は「王滝カブ」
上松地区は「吉野かぶ」
木祖地区は「細島カブ」
冬に種取り用のカブを土に植えておきます。
そうすると、春になると花が咲きます。そして種を取ります。
その大事な種を保存して、8月25・26日に種をまきます。
違うカブの種類を交配させてはいけないので、
畑も離れた場所に作らないといけないそうです。
芽が出て、間引きして、秋に大きくなります。
霜が降りるころにやっと収穫です。
◎次は、作り方です。
葉とカブの間の付け根の部分だけを使って「すんき」を作ります。
付け根に《自然の乳酸菌》が含まれているので、捨てないように!
葉と付け根の部分をざく切りにして、60度から70度のお湯に一瞬浸します。
その後、前年度の「すんき」又は、今年の「すんき・すんきの漬け汁」
を《同量》を交互に重ねます。
最後に浸したお湯を少し入れて、封をして室内の暖かいところに置いておきます。
次の日の朝発酵して袋が膨らんでいると成功です。
程よい酸味と旨味がある、おいしい「すんき」になっています。
ポイントは温度と分量です。
これが、うまくいかないと、とても不快な味になります。
腐敗にいくか?発酵にいくか?の分かれ道です。
私は、一つは酸っぱくなり、一つはとても不味くなりました。。
発酵したすんきを、
①お味噌汁の具にして食べる
②かつお節と醤油で和える
③暖かいお蕎麦の上にかけて食べる
が3大日常料理ですが、様々な料理のも応用可能です。
ぜひ、「木曽のすんき」を食べに冬の木曽路にいらしてください。